サラリーマンの副業を紹介する派遣会社が始めたお店
先日、以前お世話になった派遣会社の営業担当者から電話が入りました。既に自営業を始め、順調に行っており新たな派遣先の紹介なら今の私に不要です。電話を取ると開口一番「今、お金に困ってませんか?」といささか失礼な質問をしてきます。「いいえ、困っていません。」と憮然と答えると「今度、うちの派遣会社がお店を開きまして、是非ご来店いただきたいのです。」と明るい営業トークを奏で始めました。
これは長くなりそうだと思い早々に電話を切ろうとすると「メールに地図を添付して送りましたので、ご確認ください、では。」と言い、向こうから電話を切りました。勝手な奴だと少し腹が立ちましたが、どんなお店かと興味がありメールを開いてみました。メイド喫茶かもしれないと、期待をしましたが「サラリーマンの副業を紹介する喫茶店」とタイトルにあり、お茶を楽しみ副業ゲット!と何とも言えないコピーが書かれてありました。あまりにも本業の派遣業と変わらない内容に閉口してしまいました。場所は、自宅の近くでしたが、遠巻きに覗いてみるぐらいしか活用方が思いつきません。
1週間後、夕方に車でそのお店の前を通りかかりました。100m先からでも分る眩いばかりのイルミネーションが施され、まるで季節外れのクリスマスのようです。サラリーマンの副業、の文字がLEDの光となって夕闇に浮かびます。店内には三角のクリスマス帽に鼻メガネを付けた女性たちがフォークダンスを踊っています。マイム・マイムの曲が聞こえます。後日、また営業担当者から電話があり、来店の有無とお店の感想を聞かれました。
来店はしていないので、あの日見たフォークダンスについて尋ねてみると、あれもサラリーマンの副業の一つで、日給5万円という内容で資産家の独居老人を楽しませる為に練習をしていたのだそうです。破格の賃金を聞いた私は、次の日に件の喫茶店に行きました。メニューには珈琲-300円+けん玉5300円=5000円とあり、このメニューを注文すると資産家の子供にけん玉を教え5000円もらえるとの事。さっそく次の日曜に仕事を受ける事にしました。”